コンテンツへスキップ

カート

カートが空です

記事: 【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.1】ダイレクトトレード─夢に向かって

【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.1】ダイレクトトレード─夢に向かって

【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.1】ダイレクトトレード─夢に向かって

私たちウッドベリーコーヒーは「コーヒーに携わるすべての人が豊かになること」を目指しています。【EPISODE OF EL COLORIDO】の連載で取りあげた「グアテマラ/エル・コロリド」もまた、その目標を実現するための取り組みのひとつでした。グアテマラを訪れた私たちはそして、もうひとつの夢であったダイレクトトレードをおこなうべく、エルサルバドルへと向かいました。


この連載では、私たちがおこなったエルサルバドルとのダイレクトトレードについてお伝えしていきたいと思います。

 

 

エルサルバドルの地理的特徴

みなさんはエルサルバドルと聞いて、どんな国を思い浮かべますか?エルサルバドルの国土面積は21,040㎢、人口は約650万人で、中米でもっとも人口密度が高い国です。四国よりすこし大きい程度、あるいは九州の約半分の面積の国土には、イサルコ山やサンタ・アナ山に代表される20以上もの火山があり、コーヒー栽培に適した火山性土壌がひろく分布しています。じつは親日国であり、高い人口密度や乏しい天然資源、自然災害が多いことなどを共通点とする日本に自国を重ねあわせ、みずからを「中米の日本」と呼ぶこともあるそうです。

熱帯気候に属するエルサルバドルは、2月といえどもシャツ一枚で汗ばむほどで、まさに南国の暑さでした。直前まで滞在していたグアテマラと比べても、陽射しの強さや気温の高さが強く印象に残っています。というのも、グアテマラのほうが北に位置することにくわえ、私たちが主に過ごした農園は標高が高く、ニットを着るほど肌寒かったからです。いっぽう、エルサルバドルでは、首都・サンサルバドルにあるホテルから各農園に行き、その日のうちにもどってくるというのが決まった行程でした。それほど小さく、コーヒーが栽培できる山間部がすくない地形をしているのです。農園にも強い陽射しが降りそそぎ、エルサルバドルにおけるナチュラルプロセスの多さ、品質の高さが窺えるようでした。

 


ダイレクトトレードという夢

ダイレクトトレードは、ウッドベリーが創業当初より掲げていた目標のひとつでした。ダイレクトトレードとは、生産者のもとを訪ねて交渉をおこない、直接代金をお渡しする取引のことを指します。スペシャルティコーヒーが、大量生産・大量消費を前提とした経済システムよりサステナビリティやトレーサビリティを重視していることや、たとえば2012年に東京に進出したFUGLEN COFFEEというノルウェーのコーヒーショップがダイレクトトレードを積極的におこなっていたことなどから、多くの人が「スペシャルティコーヒー=ダイレクトトレード」というイメージを思い描くかもしれません。しかし、欧米諸国とはちがい日本はアフリカや中南米といったコーヒーの主要産地から地理的に遠く離れています。そのため、ダイレクトトレードをおこなっている企業は大企業を除けば数えるほどしかなく、私たちのような小規模なロースターがおこなうのは、ある意味で異例のことといってもいいかもしれません。

きっかけは、ほんのちょっとしたことでした。以前からウッドベリーのオリジナルブレンドでは、エルサルバドルをメインに使用していました。扱いやすく風味が豊かで、代表の木原のお気に入りだったのです。その木原は、渋谷店に立っていたときによく常連のお客様とダイレクトトレードの夢について話していました。たまたまそのなかにエルサルバドル大使館の方がいて、サポートしてくださることになったそうです。現地を訪れた私からしても信じられないような話ですが、夢を掲げてコーヒーと向きあってきたことが結ばれたのかもしれません。

 


「ストーリー」という価値

ダイレクトトレードのもつ価値は、生産者により多くを還元できることだけではありません。私たちにとっても、直接見聞きした情報として農園のストーリーを知ることができることは、とても大きな意味をもちます。通常どおり商社からコーヒーを仕入れた場合は、輸入業者が提示してくれる情報しか手に入りません。さらにいえば、輸入業者も、生産者と直接つながっている輸出業者から情報を得ているため、どうしても情報が限定的になったり、確実性が落ちたりすることがあります。しかしダイレクトトレードをおこなえば、一次情報として鮮度の落ちない情報を知ることができます。そのぶん、お客様にも農園のストーリーを伝えやすくなります。そして毎年産地を訪れることで、情報はどんどん厚くなってゆく。本誌「今月のシングルオリジン」のコーナーや、コーヒーとともにお渡ししているインフォカードはもちろんのこと、日々のお客様との会話においても、ほかのお店と比べても質のちがう情報をお伝えできていると感じています。

ダイレクトトレードを通して私たちが知ることができたストーリーは、エルサルバドルのコーヒーが海を越えてみなさまのもとに届くまでのストーリーでもあります。これから、複数回にわけてお届けするこのコラムが「From Seed to Cup」のストーリーをより深く知るための手がかりとなれば幸いです。


オリジナルマガジン "Pneuma" ISSUE17 より抜粋


連載2回目「VOL.2 コーヒーが国をつくった─エルサルバドルのコーヒー産業の歴史」は、こちらからご覧いただけます。

read more

記事を読む

【Portrait of a Barista】山﨑美穂 / ウッドベリーベーカリー

【Portrait of a Barista】山﨑美穂 / ウッドベリーベーカリー

ウッドベリースタッフのオリジンや内面に迫る「PORTRAIT OF A BARISTA」 今回はウッドベリーベーカリーの山﨑さんに、6つの質問を答えていただきました。     Q1 生まれ育った街について教えてください。 新潟県新潟市の中央区で育ちました。当時はあまり実感がありませんでしたが、新潟駅があるところなので大きな商業施設があったり公共交通機関も充実していて住みやすい場所でした。いま...

もっと見る
【10月のおすすめ】オレンジやピーチを思わせる明るい酸味「ケニア グアマ」

【10月のおすすめ】オレンジやピーチを思わせる明るい酸味「ケニア グアマ」

今回は10月より販売開始の「ケニア / グアマ」のコーヒーをご紹介します。根強いファンも多いケニアコーヒーが約1年ぶりの登場です。ケニアは国全体で品質が高いコーヒー生産国として知られています。香り高いフルーティーな風味と明るい酸味がある人気の高い生産国であり、かく言う私たちも毎年ケニアのコーヒーが手元に届くのを楽しみにしています。今回はそんなケニアからグアマ・ファクトリーのコーヒーを紹介しま...

もっと見る
【コーヒーメニューのご紹介】エスプレッソビバレッジについて
Part of Everyday Life

【コーヒーメニューのご紹介】エスプレッソビバレッジについて

みなさん、こんにちは。コーヒー屋さんのメニューって様々な種類の商品があって選ぶの迷ってしまいますよね。ウッドベリーでご提供しているドリンクの種類はコーヒー系だけでも11種類!今回のマガジンでは、ウッドベリーが提供しているコーヒーメニューの中でもまずはエスプレッソを使用したご紹介できればと思います。     そもそもエスプレッソって? エスプレッソはイタリア発祥の飲み物で、極細挽きにしたコーヒ...

もっと見る
【9月のおすすめ】ジャスミンを思わせる華やかさとオレンジのようなフルーツの味わい「エクアドル クルス・ロマ ゲイシャ」
Monthly Recommended

【9月のおすすめ】ジャスミンを思わせる華やかさとオレンジのようなフルーツの味わい「エクアドル クルス・ロマ ゲイシャ」

今回は9月より販売開始の「エクアドル / クルス・ロマ」農園のゲイシャ種のコーヒーをご紹介します。 ウッドベリーコーヒーでは約1年ぶりとなるエクアドルのコーヒー。まだまだ生産・流通量が少なくなかなかお披露目する機会の少ない生産国ですが、アンデス山脈の肥沃な土壌と昼夜の寒暖差など環境条件は恵まれており、スペシャルティコーヒー新興国として期待値の高い国であります。   このクルス・ロマ農園は、そ...

もっと見る
【Portrait of a Barista】鈴木魁 / 代官山店
Portrait of a Barista

【Portrait of a Barista】鈴木魁 / 代官山店

ウッドベリースタッフのオリジンや内面に迫る「PORTRAIT OF A BARISTA」今回は代官山店の鈴木さんに、6つの質問を答えていただきました。   Q1 生まれ育った街について教えてください。   神奈川県横浜市の、東白楽駅や東神奈川駅に近いエリアで育ちました。みなとみらいまで自転車で15分ほどで、都内も電車一本でいける、立地のいい場所でした。でも、思い入れのある町というとサッカ...

もっと見る
【完全保存版】おいしいハンドドリップコーヒーの淹れ方
Part of Everyday Life

【完全保存版】おいしいハンドドリップコーヒーの淹れ方

ウッドベリーコーヒーのおすすめする "ハンドドリップコーヒーのおいしい淹れ方" についてご紹介します!     【はじめに】 コーヒーには様々な産地の個性や焙煎の方法があるため、淹れ方に「正解」「不正解」はなく、「表現したい」味わいによって抽出のアプローチは様々です。また、使用する器具・水の硬度・エイジング(焙煎してからどれくらい経過しているか)などで細かくレシピを調整することもで...

もっと見る
【8月のおすすめ】エルサルバドル トレス・ポソス パカマラ
Monthly Recommended

【8月のおすすめ】エルサルバドル トレス・ポソス パカマラ

今回は8月より販売開始の「エルサルバドル / トレスポソス」農園のパカマラ種のコーヒーをご紹介します。年始にもおすすめシングルオリジンとして同農園のゲイシャ種を紹介していますが、今回はパカマラ種がお披露目となります。ダイレクトトレード2年目に買い付けた本ロットでは、農園でも新たな取り組みとなる「ナチュラルアナエロビックプロセス」を採用した、力強いフルーツのフレーバーをお楽しみいただけます。 ...

もっと見る
【7月のおすすめ】エルサルバドル ミレイディ ゲイシャ
Monthly Recommended

【7月のおすすめ】エルサルバドル ミレイディ ゲイシャ

今回は7月より販売の「エルサルバドル / ミレイディ」農園のゲイシャ種ナチュラルプロセスのコーヒーをご紹介します。5月にもおすすめシングルオリジンとしてパカマラ種を紹介した農園ですが、今回は同農園よりゲイシャ種のコーヒーを紹介いたします。   ミレイディ農園の位置する、エルサルバドル北西部アロテペックメタパン地域は、パカマラ品種の栽培に優れた地域として知られていますが、ミレイディ農園では同地...

もっと見る
【6月のおすすめ】グアテマラ エル・コロリド ドライウォッシュドアナエロビック
Monthly Recommended

【6月のおすすめ】グアテマラ エル・コロリド ドライウォッシュドアナエロビック

  今回は6月から発売開始の「グアテマラ / エル・コロリド ウォッシュドアナエロビック」をご紹介します。2年目となる「エル・コロリド」プロジェクトで作成した、オリジナル発酵プロセスのコーヒーになります。エル・コロリドのコンセプトである"生産処理によるさまざまな彩り(味わい)"を、ぜひお楽しみください。   自社農園プロジェクト「エル・コロリド」については、こちらのマガジンでも紹介していま...

もっと見る
c5dfef4ffca6ca82a4b7d91de4d5809e4501021a63b0cc99c9b0ab479b793206