ニカラグア ブエノス・アイレス農園
味わいの特徴
ライムやオレンジのような爽やかなフレーバーのなかに、バニラのような奥行きのある甘さや質感をお楽しみいただけます。温度が落ち着いてくると、チェリーや穏やかなトロピカルフルーツのような甘い余韻を楽しめます。
休日の朝にゆったりと過ごしたいとき、夕方ホッと一息落ち着きたいときに寄り添ってくれる、そんな一杯です。
感じられるフレーバー
兄弟で運営するニカラグアの一大農園
ブエノス・アイレス農園は、ニカラグアの北西部ホンジュラスとの国境に位置するヌエバセゴビア地域、標高1,400mに位置します。
バジャダレス一家は50年程前にホンジュラスでの内戦がひどくなったことで、ヌエバセゴビアに移り住み、コーヒーの栽培を始めたそうです。
そこから、近くの土地を買い足し成長を続け、現在では10の農園、ヌエバセゴビアで最大の生産処理場を所有するほどの大きなグループへと成長しました。
現在は4代目にあたるLuisEmilio氏、Olman氏の兄弟で農園を管理しています。
ヌエバセゴビア地域とマラカトゥーラ品種が作る味わい
ニカラグアのヌエバセゴビア地域のマラカトゥーラは品評会でも数多く入賞することから、テロワールと品種特性が合致していることがよくわかります。
特にこのブエノス・アイレス農園は、直近の2022, 2023年のカップオブエクセレンス品評会において、マラカトゥーラ品種のロットで2年連続の2位を受賞している実力派の農園です。
奥行きのある甘さや質感が印象的で、穏やかなトロピカルフルーツやオレンジといったフルーティーなフレーバーが楽しめます。
大粒品種マラカトゥーラのスイートな味わい
マラカトゥーラ種はマラゴジッペ種とカトゥーラ種の自然交配種で、1979年にニカラグアで発見されたと言われています。
しかしながら、1800年後半にブラジルで発見されたという情報もあり、マラゴジッペとカトゥーラのどちらともブラジルで発見された品種という背景もあるので、マラカトゥーラもブラジルで自然交配したものが、ニカラグアに持ち込まれたと考えたほうが自然かなと思います。
味わいはフローラルやトロピカルフルーツのフレーバーが出やすく、大粒品種らしいラウンドなマウスフィールも印象的です。 似た出自のパカマラと比較すると酸の印象が穏やかで、甘さと質感が印象的です。
テロワールと品種特性の合致によるユニークなキャラクター
コーヒーの面白さってなんだろう?と考えてみると、やはり産地ごとの味わいの違いを楽しめるところかなと思います。
近年では気候変動による影響から、病害虫に強く安定して収量を取れる品種を育て、プロセシングで美味しくするという流れが見えます。
サスティナブルや消費者の体験という観点から見ると、この流れは当たり前で、そうなっていくべきと考えますが、スペシャルティコーヒーのコンセプト‘‘特別な地理条件や微小な地域の気候が、ユニーク(個性的、特別)な風味を持つコーヒー豆を生み出す‘‘からは外れ、コーヒーの面白さも薄れてしまうのでは?と危惧しています。
これからは、生産者が作り出すユニーク(個性的、特別)な風味を持つコーヒー豆の違いを楽しむ。にシフトしていきそうですが、今一度、改めて特別な地理条件や微小な地域の気候が生み出した、ユニーク(個性的、特別)な風味を持つコーヒーを楽しめたらと思います。
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