【Portrait of a Barista】岡田 碧子/ 鎌倉店
ウッドベリースタッフのオリジンや内面に迫る「PORTRAIT OF A BARISTA」
今回は鎌倉店で店長を務める岡田さんに、6つの質問を答えていただきました。
Q1 生まれ育った街について教えてください。
生まれは東京の下町、亀戸です。鎌倉に引っ越すまで30年以上住んでいました。お祭りや御神輿のような伝統文化を残すための活動が盛んで、私も小学生のときに和太鼓クラブに入ったことをきっかけに、子どものころから積極的に参加していました。和太鼓をやめた時期もありましたが、大人になってから学生に教えるようになって、御神輿を運営する青年会の方たちとともに伝統文化を存続させる活動に加わりました。
自分がそうしたコミュニティに属していたからなのか、それとも下町らしさなのかはわかりませんが、地元の人たちとの結びつきがとても強く、私にとって大きなものだったと亀戸を出て改めて実感しています。
Q2 バリスタを目指したきっかけは?
20代前半から30代まで、冬になるたびに山にこもってスノーボードをする生活を送っていました。日本の雪質は「JAPOW」と呼ばれブランド化しているので、海外の方がたくさん滑りにきます。その影響でスキー場周辺の村にもスペシャルティコーヒーが飲めるお店がいくつもあって、どんどんカフェ文化が浸透してゆくのを目の当たりにしていました。
スノーボードをとおしてカフェ文化に触れたこともあって、山ごもりをやめたときにカフェで働いてみたいと思い、ウッドベリー渋谷店の場所にもともとあったカフェで働きはじめました。そこでスペシャルティコーヒーを扱うようになったんです。
そのご縁でウッドベリーに入ることになったのですが、前にいたお店と違って機械を使って数値を出すなど、ある種科学的なアプローチをしながらコーヒーの美味しさを追究していることに驚きました。
Q3 好きなコーヒー豆を教えてください。
グアテマラ/グッド・コーヒー・ファームズ(以下、GCF)が一番好きなお豆です。味はもちろんですが、GCFの、コーヒーをとおして世界を変えるためのサスティナブルな取り組みがすごく好きなんです。
温暖化によって将来的にコーヒーの生産量が大きく減少するといわれるなかで、GCFは水や燃料をなるべく使わないコーヒー生産をおこない、環境負荷を減らして後世につなげようとしています。私はスノーボードで年々雪が少なくなってゆくのを肌で感じていたので、GCFの取り組みについてお客様に話すときは熱がこもってしまいます。
フィルターで淹れると飲み応えもあるけどすっきりした味わいで、アメリカーノだともうすこしまろやかになる。ミルクとの相性ももちろんいいし万人受けするコーヒーです。ウッドベリーを知ってもらう導入としても最適なお豆だと思っています。
Q4 いまハマっているカルチャー(本や音楽、映画など)を教えてください。
やっぱりスノーボードでしょうか。日によって雪質が違ううえに、一本滑るごとに雪面の状況が変わります。同じ状況は二度となくて、それにあわせて滑り方を変えることのおもしろさがあります。
それに、滑るメンバーによってもテンションが違う。パッションのある上手い人と滑ると自分も上手くなる気がするし、逆に自分がそういう存在になれると嬉しいです。
山ごもりをしていた最後のほうは長野の野沢温泉にいっていました。いまでも野沢にいけば友だちがたくさんいます。スノーボードで得たつながりはいまも大事にしていて、じつはウッドベリーのコーヒーを扱ってもらったり、反対にウッドベリーで野沢の「体によし」というお米を使わせていただいたりもしています。
Q5 鎌倉店の気に入っているところを教えてください。
入口にある大きな一枚板のテーブル席がいちばん好きです。外の陽射しとお店の雰囲気を感じながら、スタッフとも話しやすい場所。テーブルには「千切り」という、木材の割れを防いでつなぎとめるための杭のような、リボン状の木片が嵌めこまれています。ウッドベリーは人と人のつながりをすごく大切にしているので、そういう意味もこめられているんじゃないかって勝手に思っています。
いまの時期、朝一番に眩しいくらいの陽射しを浴びながら開店準備をしている時間もすごく好きです。スタッフにしか味わえない鎌倉店の醍醐味です。
Q6 これからの未来のためにしていることは?
環境保全に対する意識はつねにもっています。といっても何か活動に参加しているわけではないのですが、しっかりゴミを分別したりペットボトルを買わないようにしたり、地道なことを心がけています。ひとりがやっても大して変わらないかもしれないけれど、そういう人が増えればきっと変わるはずだと思っています。
私は東京育ちですが自然のなかに身を置く時間も長かったので、その思いがすごく強いです。鎌倉は自然に囲まれているので、そういう意味でも自分にあう場所だと感じています。