【4月のおすすめ】エルサルバドル ロマ・パチャ パカマラ
今回は4月より販売の「エルサルバドル / ロマ・パチャ」農園のパカマラ種ウォッシュドアプロセスのコーヒーをご紹介します。毎月の「おすすめシングルオリジン」の記事でもたびたび紹介している、エルサルバドルとのダイレクトトレードプロジェクトにて買い付けた銘柄になります。
ロマ・パチャのパカマラは、明るく綺麗な酸味を持ち合わせますが、それ以上にスイートスパイスを思わせる甘さが印象的なコーヒーでした。この特長にフォーカスし、製品開発では酸味を少し控えめに、厚みのある口当たりを最も感じられる中煎りの焙煎度合いに仕上げました。
バランスよく、馴染みやすい味わいになっているかと思いますので、これまで(浅煎りのラインナップ中心で)パカマラを手に取る機会が少なかった方にも、ぜひ親しみを持って楽しんでいただきたい一品です。
<ロマ・パチャ農園の基本情報>
- 生産国:エルサルバドル
- 地域: アロテペック・メタパン
- 生産者:ウリセス・レムス(Ulises Lemus)
- 品種: パカマラ
- プロセス: ウォッシュド
- 標高: 1,200-1,800 m
<エルサルバドルで作られた主力栽培品種・パカマラ>
ロマ・パチャは、エルサルバドル北西部のアロテペックメタパン地域、チャラテナンゴの標高1,200-1,800mに位置します。25年に渡りコーヒー栽培を続ける歴史ある農園で、2ヘクタールほどの農園ではありますが、ブルボン、パカス、パカマラなど多様な品種のコーヒーを栽培しています。
今回ご紹介するパカマラは、1950年代にエルサルバドルで発見されるも、1980年代に当時の「サルバドルコーヒー研究所」に在籍していた遺伝学者アンヘル・カブレラによってパカスとマラゴジッペの交配種として開発されるまで知られることのなかった品種です。高い品質とエルサルバドルで開発された品種ということもあり、今では多くの農園で主力品種として栽培されるようになっており、また同国のパカマラにかける熱量は比類なく、誇りをもって栽培されていることがよく伝わってきます。
<ロマ・パチャの甘さにフォーカスした焙煎>
ロマ・パチャの位置するチャラテナンゴ地域のパカマラは品評会でも数多く入賞することから、とても品質が高いことがわかります。ロマ・パチャ農園のパカマラ種も、明るく綺麗な酸味を持ち合わせますが、それ以上にスイートスパイスを思わせる甘い印象が特徴的なコーヒーです。この甘さの印象を堪能いただけるよう、酸味を少し控えめに、厚みのある口当たりを最も感じられる中煎りの焙煎度で仕上げました。オレンジのような甘味の強いフルーツの味わいと、バニラを思わせるスイートスパイスの余韻、そしてハチミツやシロップのような滑らかな口当たりをお楽しみください。
<ロマ・パチャ パカマラの美味しい淹れ方ガイド>
ロマ・パチャ農園のパカマラ種は、質感の厚みと甘い後味が魅力的なコーヒーです。今回はその魅力を最大限活かすレシピを組んでみました。
- 使用器具:Timemore B75
- 水:南アルプスの天然水
- 粉量:15g Timemore C3 #14クリック(中細挽き)
- 湯量:250g 90℃
- ドリッパーに15gの中挽きのコーヒーをセットします。
- タイマーをスタートさせ、40gまでお湯を注ぎます。
- タイマーが0’40になったら100g。
- タイマーが1’20になったら150g。
- タイマーが1’40になったら200g。
- タイマーが2’05になったら250g。
- ドリッパー内のお湯が落ち切ったら抽出終了です。
ロマ・パチャの場合、質感を生み出す成分は抽出の中〜終盤にとくに溶け出しやすくなるため、その成分をうまく引きだすためにブリュー・レシオ(粉とお湯の比率)を16.7倍まで引き上げました。その分、挽き目を細かくし、さらに5回に注ぎわけることで成分を濃縮して取りだし、濃度を維持しています。ただし、ブリュー・レシオを高めるとネガティヴな印象も同時に出やすくなり、また、注ぐ回数も多いため抽出の均一性がシビアに求められます。そのため、より均一にお湯抜けがしやすくなるフラットベッドのドリッパーを使用しています。ぜひお試しください。