エルサルバドル ラ・ボニータ農園 パカマラ
味わいの特徴
私たちがエルサルバドルの農園を訪れ、丁寧に吟味し、直接買い付けたスペシャルティコーヒーです。
生産者のノレルヴィアさんの写真をご覧になり、「見覚えがある」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ラ・ボニータ農園は、以前ご紹介したミレイディ農園と同じ方が経営している、もう一つの農園です。
エルサルバドルは、中央アメリカ中部に位置する共和制国家で、太平洋に面し、グアテマラとホンジュラスと国境を接するコーヒー生産国。ラ・ボニータ農園はエルサルバドル北西部アロテペックメタパン地域に位置する農園です。
この農園を知ったのは、2022年に前述のミレイディ農園を訪れたときのこと。昼食をいただきながら談笑していた際、農園主のノレルヴィアさんから、彼女が経営するもうひとつの農園があること、それが標高1,900mと非常に高地に位置していることなどを伺い、強く興味を抱きました。早速テイスティングをお願いしたものの収穫期が異なり、そのときはテイスティングが叶いませんでした。
翌年も状況は変わらず、三度目となった昨年(2024年)、ようやくタイミングを見計らい、現地を訪れることができました。そして念願叶ってテイスティングしたラ・ボニータ農園のコーヒーは、期待を遥かに上回るものでした。綺麗で透明感のある味わいはもちろん、凛とした品のある味わいに、すぐさま心を奪われたのです。
このコーヒーは、フローラルなアロマに加え、プラムやトロピカルフルーツを思わせる濃厚な甘さが特徴です。また、余韻にはパカマラ種特有のバニラを彷彿とさせるスイートスパイスの香りが漂い、至福のひとときを演出してくれます。
感じられるフレーバー
ダイレクトトレードについて
ラ・ボニータ農園のコーヒーは、私たちが現地を訪れ、直接買い付けを行ったダイレクトトレードのコーヒーです。この取り組みは、高品質なコーヒーを未来にわたって楽しむために欠かせないものと考えています。
近年、気候変動の影響によりコーヒーの生産量は年々減少しています。研究によれば、2050年にはコーヒー生産に適した土地が現在の半分にまで減少する可能性も......。生産量の減少は生産者の収入に直結し、さらに気候条件の悪化により、コーヒーの品質低下も懸念されています。
高品質なコーヒーを継続して作るためには、品質維持のための適切な投資が不可欠です。それには、中間手数料を抑え、同時に生産者への投資を兼ねた価格で買い付けることが重要だと考えています。私たちはダイレクトトレードを行うことで、支払った金額がどれだけ生産者に届いているかを正確に把握し、さらに市場価格を上回る金額で買い付けることで、生産者が持続的に高品質なコーヒーを作り続けられるよう支援しています。
ラ・ボニータ農園のコーヒーは、その理念に基づき、国際市場価格の 468% という価格で買い付けています。ぜひこのコーヒーを手に取り、味わっていただければ幸いです。
エルサルバドルとパカマラ品種
エルサルバドルでコーヒーの栽培がはじまったのは1740年ごろ。徐々に生産量を増やし、1860年代半ばから70年代初頭にかけて急激に成長しました。1879年にはそれまで主な輸出品目であった藍(インディゴ)の輸出量を上回り、1940年ごろまでには輸出品目の80〜90%を占めました。
1931年以降政権が不安定な時代が続きますが、その間もコーヒー産業は成長を続け、1975年には世界3位の生産国となり、78年には収穫量が至上最高の20万1千トンに達します。
しかしエルサルバドルのコーヒー産業は、長期的な内戦とサビ病に見舞われます。サビ病は葉の裏にサビのような斑点がひろがり、光合成機能が失われて木が枯れてしまう病気です。強い伝染力をもち、壊滅的な被害をもたらすのです。内戦によって減少した生産量は、さらにサビ病に直面したことで2万トンまで落ちてしまいました。
サビ病によって岐路に立たされたエルサルバドルは、国をあげてコーヒーの品質向上に大きく舵を切り、国際相場に左右されないプレミアムコーヒーの生産を増加させる方策を取りました。生産量で他国に敵わないからこそ、すくない生産量でもしっかり稼ぐことができる仕組みを国全体でつくろうとしたのです。
今回ご紹介するパカマラは、1950年代にエルサルバドルで発見されるも、1980年代に当時の「エルサルバドルコーヒー研究所」に在籍していた遺伝学者アンヘル・カブレラによってパカスとマラゴジッペの交配種として開発されるまで知られることのなかった品種です。高品質であることはもちろん、エルサルバドルで開発された品種ということもあり、今では多くの農園で主力品種として栽培されるようになりました。
パカマラはキャラクターの幅が広く、パカスの遺伝が大きく影響しているものや、マラゴジッペ特徴が色濃く出ているものも見られます。いずれの品質もとても高く、COE(カップオブエクセレンス)で入賞していることも多い魅力的な品種です。
精緻に描かれた味わいのハーモニー
現地で買い付け、11月に日本に届いたラ・ボニータ農園の豆をあらためてテイスティングしてみると、ひとつの気づきがありました。それは、どことなくミレイディらしさを感じられることでした。しかしながら、高標高に由来する酸の構造感・立体的な印象がミレイディよりも感じられ、よりエレガントな印象に仕上がっているように感じます。(品質管理/ 佐藤)
【生産国】エルサルバドル
【地域】アロテペック・メタパン
【農園】ラ・ボニータ農園
【生産者】ノレルヴィア・デ・ディアス
【標高】1,900m
【品種】パカマラ
【プロセス】ハニー
【焙煎度】浅煎り
Country:El Salvador
Region:Alotepec Metapan
Farm:La Bonita
Producer:Norelvia de Diaz
Altitude:1,900m
Varietals:Pacamara
Process: Honey
Rost Level:Light roast
コーヒーの保存方法について >>
コーヒー豆は、チャック付バッグに入れてお届けいたします。
背面にはコーヒー豆の焙煎日が記載されています。
<美味しく飲む目安>
ハンドドリップ:焙煎から2〜3週間くらいが豆の持つ風味がバランスよく感じられます。
エスプレッソ:焙煎から3週間前後くらいが甘さを感じやすく、ミルクとの相性もよく感じられます。
焙煎後2ヶ月くらいまでを目安にお召し上がりください。
<長期保存について>
飲みきれない場合は密閉容器で冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存の場合は、半年ほどの期間を目安にお召し上がりください。
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