記事: 【4月のおすすめ】品評会でも高く評価される実力派のパカマラコーヒー「エルサルバドル ラス・ヴェンタナス / パカマラ ナチュラル」

【4月のおすすめ】品評会でも高く評価される実力派のパカマラコーヒー「エルサルバドル ラス・ヴェンタナス / パカマラ ナチュラル」
今回は4月のおすすめ「エルサルバドル ラス・ヴェンタナス農園 / パカマラ ナチュラルプロセス」をご紹介します。
ラス・ヴェンタナス農園の基本情報
- 生産国:エルサルバドル
- 地域:アロテペック・メタパン
- 生産者:エリサ・アギラール
- 標高:1,600 - 1,750m
- 品種:パカマラ
- プロセス:ナチュラル
品評会でも高く評価される実力派のパカマラコーヒー
ラス・ヴェンタナス農園は、私たちがダイレクトトレードで取引している農園のうちのひとつで、今回の買い付けが3回目の訪問となりました。
現農園主のエリサさんとその祖父アントニオさんの親子2代に渡り運営がなされています。2006年スタートのまだ比較的新しい農園ですが、2015年から6度のカップオブエクセレンス(COE)品評会入賞を誇る実力派の農園です🏆
その後ケニアは、ケニア山、エルゴン山、アバデア山脈、リフトバレー、西部高地、湖地域周辺の土地に、コーヒー生産を大幅に拡大しました。
現在では、約600万人のケニア人がコーヒー部門で生計を立てています。
エルサルバドル北西部アロテペックメタパン地域の標高1,600mの山あいに位置しており、肥沃な火山性土壌と雨季乾季のはっきりした気候のテロワールは、パカマラ品種の栽培に適したエリアとして名高く、ラス・ヴェンタナス農園もパカマラ品種をメインに栽培を行っています。
農園内には独立した精選施設(ミル)も保有しており、ウォッシュド/ハニー/ナチュラルの3種類のプロセスを採用しています。それぞれ精選プロセスの技術も高く、COE受賞実績においても、すべてパカマラ品種を用いていますが、ウォッシュド/ハニー/ナチュラル、各プロセスで入賞を果たしています✨
トロピカルフルーツのような印象を生み出す、独自の乾燥工程の工夫
ラス・ヴェンタナス農園の生産処理場で特徴的なのは、パティオ(コーヒー豆の乾燥場。コーヒー豆は水分が11%〜13%になるまで乾燥された後、出荷される)の材質がコンクリートというところです。
エルサルバドルの多くの生産処理場では、急激な温度上昇を防ぐために赤煉瓦がパティオの材質に採用されていることが多いのですが、こちらはコンクリートを採用しています。温度上昇が早く、高い温度で発酵が進むためフルーティーなフレーバーがつきやすいのが特徴です。アフリカンベッドとパティオが併用されることで綺麗さとフルーティーなフレーバーの両立が図られていると感じました。
そのためか、ラス・ベンタナス農園パカマラ種 ナチュラルはトロピカルフルーツのフレーバーが印象的です。パイナップルやマンゴーといった甘さを伴ったフルーティーなフレーバーを感じます。パカラマらしい滑らかな口当たりも健在で、その口当たりはトロピカルフルーツの印象をより際立たせているように感じます。後味に感じるミルクチョコレートのようなフレーバーも印象的です🍍
今後ますます高品質なコーヒーの生産が期待されるチャラテナンゴの魅力
アロテペックメタパン地域はチャラテナンゴ県にあるため、"チャラテナンゴ"の方が聞き馴染みのある方が多くいらっしゃるかと思います。チャラテナンゴという地域は、コーヒーの栽培においてまだ歴史の浅い地域ですが、高品質なパカマラ品種が栽培される地域としてよく知られることとなりました。エルサルバドルの農園訪問で各地域のパカマラを比較しましたが、やはりパカマラがクリーンで甘さと明確な酸味があり印象に残りました。
しかしながら、その歴史の浅さゆえに小規模生産者が多く、他国の生産地と比べると設備の面などでまだまだ改良の余地が残っています。とはいうものの、ラス・ヴェンタナス農園のように、パティオを赤煉瓦ではなくコンクリートにするなど、独自の取り組みを行っている農園も少なくありません。今後も品質に向き合う熱心な生産者さんたちの手により、今後のエルサルバドルコーヒーがより素晴らしい品質になっていくことを確信しています☕️🌿
エルサルバドル / ラス・ヴェンタナスのおいしい淹れ方
今回、抽出レシピを組む過程で、改めてラス・ヴェンタナス農園パカマラ種の仕上がりの綺麗さに気づかされました。レシピでは、その綺麗なフレーバーにフォーカスして、阻害要因をすくなくするように意識しました。
ドリッパーには、内側に凸のリブがなく、ペーパーフィルターを密着してセットできる「HARIO V60 MUGEN」を使用しています。チャネリング(お湯がコーヒー粉と十分に接触せずドリッパーから抜け出てしまう現象)を減らした抽出によって口当たりの厚みを保ちながら、早めに抽出を終えることでビター感をすくなくしています。
- 使用器具:HARIO V60 MUGEN
- コーヒー:16g, Timemore C3 #20クリック (中挽き)
- 水:240g, 白神山地の水
- 湯温:92℃
- ドリッパーに16gの中挽きのコーヒーをセットします。
- タイマーをスタートさせ、40gまでお湯を注ぎます。
- タイマーが0'25になったら120gまで。
- タイマーが0'50になったら180gまで。
- タイマーが1'15になったら240gまで。
- ドリッパー内のお湯が落ち切ったら抽出終了です。