バッチブリューを美味しく淹れるために


全自動ドリップマシン vs ハンドドリップ

私達のお店でも人気のドリップコーヒー。最近は様々な抽出器具も登場してきたことにより一般的に「フィルターコーヒー」と呼ばれることが多くなってきました。(フィルターコーヒーの総溶解固形分(TDS)は2.00%以下で、砂糖やミルクなどが混ざっていないものを指します。)エスプレッソドリンクが主流だった国でも最近ではフィルターコーヒーが人気で、「Coffee Brwers Championship」というフィルターコーヒー専門の世界大会も開催されています。

-写真 : 2016年 Japan Coffee Brewers Championship 東京予選

そんなフィルターコーヒーですが、カフェでは2つのスタイルを見かけることが多いです。一つは全自動ドリップマシンで数杯分を一度に抽出するスタイル。一般的にバッチブリューと言われています。もう一つはバリスタが一杯ずつハンドドリップ等で淹れるスタイル。一杯ずつ自分のために淹れてくれたコーヒーはなんだか特別に美味しい気がしますよね。でも実際の美味しさはどうなのでしょうか?


バッチブリューの方が美味しかった体験

2016年にオーストラリア・メルボルンに訪れたときのことです。メルボルンはコーヒーの最先端の街として有名で、街に何十件もカフェがひしめき合っていながら、どこのお店もお客さんでいっぱいで溢れています。飲み手のパワーがすごい街です。

-写真 : 2015年12月メンバー全員でメルボルンへ

-写真 : 2015年12月 Patricia Coffee Brewers にて

メルボルンはエスプレッソメニューが主流ながらも、フィルターを取り扱っているお店も多くありました。社員4人で旅行したので、それぞれハンドドリップやバッチブリューなど様々なメニューを注文していたのですが、どのお店もバッチブリューの方が美味しいという、いままでの価値観や先入観とはまったく違う体験をしました。現地で働いているバリスタに聞いてみるとやはりバッチブリューにとても力を入れているそう…日本とは違うそのスタイルにとても驚きました。


マシンの選定

メルボルンで体験したようなとても美味しいバッチブリューを作るためには、まずは機械の選定から取り組みました。

実際に機械を何台も購入することはできないので、海外のバリスタの口コミを参考にしたり、展示会にてデモ機を触られていただいたりをしてマシンの候補を絞っていきました。そして気になる機械が置いてあるお店に足を運びそこでバッチブリューをいただいたりしていくなかで、現在のマシンに辿り着きました。そのマシンは代官山店にて現在も稼働中です。

マシン選定のポイントは大きく3つ。

これさえしっかりしていれば何百万もするスーパーマシンは必要ないです。
(逆に変数が多すぎるとストライクゾーンを見失いやすくなる恐れが…)

  1.  適切なフローレート
  2.  一貫性のある抽出温度管理
  3.  シャワーヘッドからの均等なお湯の注ぎ

この3つのポイントがクリアされていれば、どのマシンでも美味しく淹れることは可能でした。

BOMMAC BREWER BMP-2000T、MOCCAMASTER あたりがおすすめです。


レシピの調整のポイント

① 多めの粉とお湯を使う

マシンの容量に対して作るコーヒーの液体が少ない=粉の量が少ないとお湯が落ちきってしまうのが早くなります。抽出量をしっかりと取り、お湯と粉が接触する時間を増やし、甘さとフレーバーを引き出します。(参考レシピ: コーヒー90g お湯1500g 時間約3分)

②均一に挽けるグラインダーで粗挽きがgood

Ek43のグライダーで挽いた粉はとても均一で高い収率を得ることができます。(コーヒーの成分が多く抽出できるということ)粒度を荒めにすることでクリーンかつフレーバーを引き出す抽出を実現します。

③高品質豆を使う

ポイントなのは甘さとバランスの良いコーヒーを選ぶこと。そしてクリーンカップも重要で、ネガティブ要素が少なければ少ないほど抽出は安定します。

④フィルターコーヒー専用のロースト

私達はフィルターコーヒー専用に「甘さとフレーバーが最大限に引き出せている焙煎度合い」にローストしています。焙煎が深かったり、焦げたりしているとフレーバーを感じにくかったりします。マシン抽出では細かいコントロールが効かない分、焙煎でしっかりと味作りを固めます。

⑤TDSを毎回しっかりと測る

TDS計というコーヒーの濃度を計る機器があります。マシン抽出では、抽出の工程に問題がないか黙視できない分、しっかりとTDSを測ることが必須です。たとえばTDS1.2のレシピで抽出したのにTDS1.1の場合、抽出になんらかの問題があったことが分かります。


百聞は一見に如かず

代官山店では全自動マシンによるバッチブリューにて抽出しています。ぜひ遊びに来てくださいね。

ご家庭用のマシンでもそのマシンに合った調整をしていけば、必ずハンドドリップに負けず劣らずの美味しいコーヒーが淹れられますよ!