【6月のおすすめ】グアテマラ エル・コロリド ドライウォッシュドアナエロビック
今回は6月から発売開始の「グアテマラ / エル・コロリド ウォッシュドアナエロビック」をご紹介します。2年目となる「エル・コロリド」プロジェクトで作成した、オリジナル発酵プロセスのコーヒーになります。エル・コロリドのコンセプトである"生産処理によるさまざまな彩り(味わい)"を、ぜひお楽しみください。
自社農園プロジェクト「エル・コロリド」については、こちらのマガジンでも紹介しています。
<2年目となる「エル・コロリド」プロジェクトの新しいチャレンジ>
エル・コロリドは、生産者、消費者、自然環境のすべてにとってGOODで、サスティナブルであることを目指して活動するGOOD COFFEE FARMS(以下、GCF)との「My Farms 契約」プロジェクトから生まれたコーヒーです。このプロジェクトでは、私たちがGCFに所属する農園の一区画を「My Farm」として長期(10年)でお借りし、栽培、収穫、そして生産処理までを現地と協働して行うプロジェクトです。この取り組みにより、農園に契約年数分の安定した賃金が渡り、また私たちコーヒーショップは収穫から生産処理を詳細にカスタマイズした付加価値の高い独自のコーヒーロットを生産し、皆様にお届けすることができます。私たちはプロジェクト第一号の契約を結び、グアテマラのハラパ県にあるナランハレス農園の一区画をお借りし、2022年から直接現地を訪れ、コーヒーの収穫から生産処理を行っています。
昨年は、ハニーやドライウォッシュドといった伝統的なプロセスを採用した銘柄を紹介しましたが、今回はアナエロビック発酵プロセスを取り入れたオリジナルロットを作成したので、こちらのお披露目になります。
<ドライウォッシュド×嫌気性発酵の明るい味わいのコーヒー>
ドライウォッシュドの工程。自転車型の脱穀機を利用し、水や燃料の使用を極力なくしたエコフレンドリーな精製方法です。
アナエロビック(ファーメンテーション)プロセスとは、発酵の技術を取り入れたプロセシングで、コーヒーに特徴的で明確なフレーバーをつくることができます。近年の気候変動によって生産量が減少してしまった生産者にとって、付加価値を生むことで収入を補うことができるため、注目を集めています。
水資源を使用を減らしたGCF独自のドライウォッシュドは、甘さの印象が主体的になりますが、酸の強度が弱くなってしまっている印象がありました。そこで私たちは、チェリーを脱穀したのち、密閉タンクで72時間、タンク内のpHが3.8に下がるまで比較的長時間の嫌気性発酵を行いました。
しっかり発酵させた嫌気性発酵とドライウォッシュトを組み合わせることで、ウォッシュトプロセスを思わせる明確で明るい酸味を作ることができ、トロピカルフルーツを思わせる華やかなフレーバーを感じるコーヒーに仕上がってます。
<エル・コロリド ドライウォッシュドアナエロビックの美味しい淹れ方>
- 使用器具:HARIO V60
- 水:南アルプスの天然水
- 粉量:16g Timemore C3 #14クリック
- 湯量:250g 94℃
- ドリッパーに16gの中挽きのコーヒーをセットします。
- タイマーをスタートさせ、60gまでお湯を注ぎます。
- タイマーが0’45になったら130g。
- タイマーが1’30になったら190g。
- タイマーが2’00になったら250g。
- ドリッパー内のお湯が落ち切ったら抽出終了です。
今回のエル・コロリド/ドライ・ウォッシュト・アナエロビックは、華やかさとトロピカルフルーツを思わせる明るい酸味が特徴的なコーヒーです。その特徴を引きだすために、注ぎわける回数を4回に減らしてさっと抽出することで明るいフレーバーを維持しつつ、そのことで薄くなりがちな口当たりを円錐形ドリッパーを使うことで味わいの厚みをサポートしています。ぜひお試しいただければと思います。